第24回 人事労務講座 歓送迎会は仕事なの?
- takano hisatoshi
- 2023年7月13日
- 読了時間: 3分
更新日:2023年7月16日
みなさま、こんにちは。人事労務講座 第24回なります。
昨日も暑かったですね。自転車を漕ぎましたが、なるべく日陰を走って体力を温存しました。でもあまり変わらなかったです。
道中、100円ショップに立ち寄りましたが、最近は釣り道具もすごい充実しているのですね。また、横須賀や三浦で釣りにでも行ってみようかな。(水分補給や対策をしっかりしないと自分が干物になってしまいそうです)
さて、本日のテーマ、歓送迎会は労働時間に含まれるのでしょうか?
結論として、歓送迎会(接待・懇親会)は、労働時間に含まれる場合があります。
また、それが労働時間となりますと、賃金の支払いの義務も生じますし、後述します労災の認定との関連性が生じることになります。
ただし、接待中に起きた事故が労災になるかどうか認定は、接待が業務と認められるかどうかによって異なります。例えば、社内で開かれた飲み会で飲み過ぎて駅のホームから転落して死亡した事故では、「参加は業務と認めるのが相当」と判断されたものの、「事故は業務中に発生したものではない」とされました。
歓送迎会の労災に関する考え方に関して・・・
行橋労基署長事件より
歓送迎会に参加した後に職場に戻る途中での事故が労災認定された事例です。最高裁判決により、歓送迎会は業務の一環として認められました。(部長から歓送迎会に参加してほしい旨の強い意向があったケース)ただし、歓送迎会中の事故でないことは、ご留意ください。
労働者が、業務を一時中断して事業場外で行われた研修生の歓送迎会に途中から参加した後、当該業務を再開するため自動車を運転して事業場に戻る際に、研修生をその住居とするアパートまで送る途中で発生した交通事故により死亡してしまいました。最高裁判所は、この事故が業務との因果関係があると認め、労災認定を行いました 。
つまり、労災認定における、業務起因性と業務遂行性が認められ、労災認定がされました。
これをわかりやすく言いますと、この歓送迎会は参加が業務指示など強制されたことが業務と判断され、ポイントになったものになります。ただし、歓送迎会中にケガをした場合は労災の認定を受けられない可能性が高いと考えられます。
では、どうしたらよいか?
例えば、この歓送迎会や長い会社の慣例となっていても、この認識が上司も部下もしっかりしていないと、労務トラブルになる可能性が高い事案となります。
この問題のリスクを回避するための解決方法は、
・業務命令として、対応をしてもらう。労働時間に基づいた賃金を支払う。
・参加を強制しない。(暗黙のルールではなく)
というこの2択しかないと考えます。
ピース社労士事務所では、今後も随時、情報発信を行っていきます。初回相談は無料ですので、どのような事でも、お気軽にお問合せください。
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