第3回 給与計算講座 固定残業代の注意点
- takano hisatoshi
- 2023年7月21日
- 読了時間: 3分
みなさま、こんにちは。給与計算講座 第3回となります。
給与計算講座というカテゴリーを作り、自分も知識の再確認ができて、嬉しいです。
つい、自分の記事の読者になってしまっています。
夜は、ひとりで自転車を漕いで近くの自販機で缶コーヒーを買って飲んだり、気分転換しています。夜は昼間より涼しいからいいですね。
固定残業代とは・・・
固定残業代とは、企業が一定時間の残業を想定し、実際の残業時間に関わらず固定の残業代を支払う制度です。
まず、前提として、36協定の締結と届け出が必須です。
労働基準法では、「1日の労働時間は8時間以内」「1週間の労働時間は40時間以内」と定め、原則として残業自体を禁止しています。残業代が発生する時間外労働はあくまで例外であり、時間外労働をさせるためには、36協定の締結といった手続きを義務付けています。
固定残業代とは、毎月基本給に加えて、固定残業代(定額残業代、固定残業手当)を必ず支給する制度です。固定残業代制には、時間外・休日・深夜労働の割増賃金について、基本給の中に含めて支払う方法(基本給組み入れ型)と、一定額を手当として支払う方法(手当型)があります。なお、固定なので、その時間(固定残業時間)に達しない場合でも、定額の残業代の支払いをしなくてはなりません。また、固定残業時間を超える労働があった場合は、無論、その分の時間外の残業代を支払わなくてはなりません。
事業主としては、固定残業で設定した時間内であれば、給与計算の実務の負担が少ない一方、毎月、設定した時間に達しない場合は、コストになってしまうという考え方もできます。
また、労働者側としては、毎月決まった給与の支給があるという安心感がある一方、場合によっては、基本給が低いなぁという印象を持つ可能性もデメリットとして挙げられます。
固定残業代の支払い計算方法
固定残業代=1時間あたりの賃金額×固定残業時間×割増率
例
1日の所定労働時間が 8時間
年間休日が 125日
月例給与が 250000円
「月平均所定労働時間」をまず、計算します「240日×8時間÷12ヵ月=160時間」
その月の給与総額÷月平均所定労働時間」とすると「25万円÷160時間=1562.5円」
→(1563円)になります。
なお、一般的に、固定残業代は時間外労働が1ヵ月45時間を超えないように設定する必要があります。(36協定の上限時間に合わせて)
また、時間外労働の割増賃金の割増率は、通常の労働時間または労働日の賃金の2割5分以上とすることが義務付けられています。
これらを踏まえて、固定残業代が月45時間とすると下記になります。
計算で練習してみましょう。
1,563円(1時間あたりの賃金額)×45時間×1.25(割増率)=87918.75円
1円未満の端数は、50銭未満切り捨て、50銭以上1円未満を1円に切り上げます。
したがって、この事例の固定残業代は、87,919円(45時間分)となります。
固定残業代の必ず抑えるべきポイント
就業規則 及び 求人票にしっかりと内訳を載せ、労使トラブルを防ぐ。
「基本給〇〇円(固定残業代込み)」という表記では、固定残業代がいくらなのかわかりません。「基本給〇〇円(固定残業代●●円/○○時間分)」というように、基本給と残業代を明確に区別する必要があります。この表記をきちんとしないと、残業代未払いと判断され、基本給と固定残業代を足したものを基礎として、割増賃金率を掛けたものを支払うリスクがございます。
ピース社労士事務所では、今後も随時、情報発信を行っていきます。初回相談は無料ですので、どのような事でも、お気軽にお問合せください。
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