みなさま、こんにちは。人事労務講座 第40回なります。
本日は付加金について解説をいたします。
付加金とは・・・
労働基準法
第114条(付加金の支払)
裁判所は、第二十条、第二十六条若しくは第三十七条の規定に違反した使用者又は第三十九条第九項の規定による賃金を支払わなかつた使用者に対して、労働者の請求により、これらの規定により使用者が支払わなければならない金額についての未払金のほか、これと同一額の付加金の支払を命ずることができる。ただし、この請求は、違反のあつた時から五年以内にしなければならない。
付加金の対象となる賃金は何か・・・
解雇予告手当(労基法20条)
休業手当(労基法26条)
時間外・休日・深夜の割増賃金(労基法37条)
有給休暇の賃金(労基法39条7項)
この4つが対象です。
これらの賃金や手当を使用者が支払っていないため、労働者が支払いを求める裁判を起こすという場合、労働者は、裁判所に対して、付加金の支払を命ずるように求めることができます。
付加金の金額を決定する場合、裁判所は裁判で明らかになった事実関係を全体的に考慮し、支払うべき付加金の金額を決定します。従いまして、必ずしも未払となっている金銭の額と「同一額」になるとは限らないようです。
もっとも、付加金の請求は、未払が生じたときから3年以内にする必要があります。
付加金を払わないで対応するには・・・
訴訟に至るまで、労使間のトラブルを拡大をさせないことが大前提ではありますが、実は、あまり知られていませんが、裁判所が支払いを命ずるまでに、未払い金を払えば、付加金の支払いを命ずることはできません。
(使用者は一審で付加金の支払いを命じられると控訴し、控訴審終結までに未払金を支払って、付加金の支払いを逃れる手段が講じられるなど、趣旨を失わせる対応をとることもあるそうで、今後、付加金の支払いに関して見直しを図られるかもしれません)
使用者と労働者との間で紛争事件として多い、賃金に関しては、日ごろからしっかりとした労務管理が必要と考えます。就業規則や労働条件通知書、労働契約書などの整備だけでなく、実体と見合った労働環境や人事労務面の整備も必要と考えます。
ピース社労士事務所では、今後も随時、情報発信を行っていきます。初回相談は無料ですので、どのような事でも、お気軽にお問合せください。
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社会保険労務士
高野 尚宗
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