みなさま、こんにちは。人事労務講座 第41回なります。
本日は最低賃金について解説をいたします。
最低賃金とは・・・
最低賃金法とは、賃金の低廉な労働者について、賃金の最低額を保障することにより、労働条件の改善を図り、労働者の生活の安定、労働力の質的向上及び事業の公正な競争の確保に資することを目的とした法律です。
この法律により、使用者は、最低賃金額以上の賃金を支払わなければならず、最低賃金未満の賃金しか支払わなかった場合には、最低賃金額との差額を支払わなくてはなりません。
地域別最低賃金及び特定最低賃金の2種類があります。
地域別最低賃金とは・・・
地域別最低賃金とは、最低賃金法に基づき、都道府県ごとに設定された、その地域で働く労働者に対して支払われるべき最低賃金額のことです。
令和4年度からは、都道府県ごとに最低賃金額が異なります。2023年8月29日現在、ピース社労士事務所がございます神奈川県の最低賃金額は時給1,071円です。
特定最低賃金とは・・・
特定最低賃金とは、特定の産業について設定された最低賃金のことです。
最低賃金法に基づき、関係労使の申出に基づき最低賃金審議会の調査審議を経て、同審議会が地域別最低賃金よりも金額水準の高い最低賃金を定めることが必要と認めた産業について設定されています。
令和5年3月末現在、全国で226件の特定最低賃金が設定されており、約9万人の使用者と約291万人の労働者が適用されています1。
最低賃金を下回った際の罰則
最低賃金法により、使用者は、最低賃金額以上の賃金を支払わなければならず、最低賃金未満の賃金しか支払わなかった場合には、最低賃金額との差額を支払わなくてはなりません。
地域別最低賃金額以上の賃金額を支払わない場合には、最低賃金法に罰則 (50万円以下の罰金)が定められています。
また、特定 (産業別)最低賃金額以上の賃金額を支払わない場合には、労働基準法に罰則 (30万円以下の罰金)が定められています。
最低賃金の例外・・・
最低賃金の減額許可については、特定の労働者については、使用者が都道府県労働局長の許可を受けることを条件として個別に最低賃金の減額の特例が認められています3。例えば、精神又は身体の障害により著しく労働能力が低い者、試用期間中の者、基礎的な技能及び知識を習得させるための職業訓練を受ける者、軽易な業務に従事する者、断続的労働に従事する者等が該当します。ただし、減額幅は一律であり、都道府県労働局長が認めた減額幅を超えることはできません。
ピース社労士事務所では、今後も随時、情報発信を行っていきます。初回相談は無料ですので、どのような事でも、お気軽にお問合せください。
神奈川県 東京都の人事労務のご相談は・・・
ピース社労士事務所
社会保険労務士
高野 尚宗
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