みなさま、こんにちは。
秋も深まり、皆様はどのような秋をお過ごしになっていらっしゃいますでしょうか。
僕は食欲の秋を楽しんでおります。(野球の練習で太りすぎには注意していますよ)
人事労務講座 第46回なります。
本日は、多様な正社員について、解説させていただきます。
多様な正社員とは・・・
多様な正社員とは、「多様化する労働契約のルールに関する検討会報告書」において、
・勤務地
・職務
・勤務時間
のいずれかが限定されている正社員と定義されております。
実務でのポイント
実務においては、この限定(限定合意)がポイントとなっております。
ケース1 転勤に関して
勤務地において、限定合意があった場合は、転勤命令が原則で不可となります。
ただし、本人より同意があった場合は、転勤等の配転も可能です。しかし、この同意に関してはあくまで本人の自由意志に基づいたものであるよう、会社側からの強要などがない様に注意が必要です。
ケース2 事業場の閉鎖に関して
その限定された勤務地が閉鎖となる場合においては、整理解雇における人選に関して、その限定された勤務地で働く、限定正社員を限定合意のない正社員より優先して選出し、解雇したとしても、合理的と判断される可能性が高いと考えられます。ただし、限定正社員においても、個別合意に基づく配転の提案(解雇回避のプロセス)は必要です。
ケース3 本人の能力不足に関して
その業務に関して、能力不足の場合は、解雇等の判断は認められる可能性は高いです。(その業務のみやってもらうことで合意しているので)ただし、面接や採用時にその基準と解雇等に関して説明をすることがトラブル回避においても必要と考えられます。尚、本人が同意した場合は職種転換なども視野に業務指導を速やかに進めることも選択肢として検討します。
ケース4 休職と復職に関して
限定合意のある就業場所と業務内容を基準として考えますが、例えば限定合意があったとしても、そのリハビリを兼ねて、つまり限定業務に復帰するプロセスとして、就業場所や業務を短期的に特別な配慮の元、変更することは差支えないと考えます。ただし、こちらも本人の同意が必要です。
まとめ
以上を踏まえて、限定合意と変更があったとしても、本人の自由意志があれば、柔軟に変更できる点がポイントとなることを事例をもとに解説いたしました。
なお、さまざまな働き方として、多様な正社員制度を構築することは、これからの企業にとって採用に関して大きなアピールとなることもメリットなるかと思います。
企業と労働者にとってもメリットの大きなこの制度、是非ご検討をお勧めいたします。
働き方改革関連法案の柱の1つでもあります。実は、助成金の対象にもなっております。
ピース社労士事務所では、今後も随時、情報発信を行っていきます。初回相談は無料ですので、どのような事でも、お気軽にお問合せください。
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社会保険労務士
高野 尚宗
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