みなさま、こんにちは。人事労務講座 第52回なります。
さて今回は、退職金制度として、導入されるケースが多い、中退共について詳しく解説させていただきます。
中退共とは・・・
中退共とは、中小企業退職金共済制度の略称であり、中小企業において、事業主の相互共済の仕組みと国の援助によって退職金制度を設けることができる制度です。中退共制度に加入することで、従業員の退職時に退職金を支払うことができます。
メリット
中退共制度は、国が助成するため、掛金の負担軽減措置があります。中退共制度に加入することで、従業員の福祉の増進を図り、中小企業の振興に寄与することができます。
●中退共制度の掛金は全額会社の経費とすることができ、年払いも可能なので税金対策になります。
●新しく中退共制度に加入する事業主に掛金月額の2分の1(従業員ごとに上限5,000円)を加入後4ヵ月目から1年間、国が助成します。また、掛金月額が18,000円以下の従業員の掛金を増額する事業主に、増額分の3分の1を、増額月から1年間、国が助成します。
デメリット
●掛け始めて1年未満で退職すると退職金は支給されません。掛けた分だけ損します。1年以上2年未満の場合は掛金納付総額を下回る額になります。2年以上3年6ヵ月では掛金相当額となり、3年7ヵ月以上からは運用利息と付加退職金が加算され、掛金納付額を上回ります。
●掛金は月額で最低5,000円からです。5,000円から30,000円まで従業員ごとに任意に選択できます。1人当たり年間で最低でも60,000円の固定費増となります。
※短時間労働者(パートタイマー等)は、特例とし2,000円から4,000円の掛金月額でも加入できます。
●掛金を減額することが困難で減額するには従業員の同意が必要です。従業員の同意が得られない場合は、現在の掛金月額を継続することが著しく困難であると厚生労働大臣が認めた認定書が必要になります。
●懲戒解雇して退職金の給付を減額するための手続きが困難です。さらに、退職金が減額された場合でも、その減額分は長期加入者の退職金支払財源にあてられるため、中退共に没収され、事業主には返ってきません。
まとめ
上記のようにメリット、デメリットがある制度では、ありますが退職金の原資に関しては、助成制度もあり、総合的には導入しやすい制度と言えそうです。
また近年401K(確定拠出年金制度)やイデコなども制度として導入されるケースもありますが、ピース社労士事務所では(朝日生命代理店)生命保険取り扱い資格も持っておりますので、幅広い相談をお受けし、提案することもできますので、お気軽にご相談ください。
ピース社労士事務所では、今後も随時、情報発信を行っていきます。
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社会保険労務士
高野 尚宗
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