みなさま、こんにちは。新しいカテゴリーの第5回となります。人事労務に役立つ最新の情勢を簡単にわかりやすく解説しています。
先日の高校卒業者の採用選考と内定が始まったことに対して、こちらは就職後のポイント解説になります。
まず、高卒の新規学卒者の離職後3年以内の離職率は、おおよそ、下記の通りとなっています。
新規高卒者の離職率
1年目 | 2年目 | 3年目 | 3年以内 | |
高卒 | 16.3% | 10.1% | 9.6% | 35.9% |
厚労省 「新規学卒就職者の離職状況」令和4年10月より
このように離職率が多いのは、1年目ということが分かります。ですので、この1年目にどのようなアプローチをするかが定着に対するポイントとなります。
ポイント
(1)まずは、離職理由に注目
人間関係 29%
時間、休日などの労働条件 28.7%
賃金 26.1%
仕事が合わない22.2%(ただし、就職直後の4月から9月までは33.3%と最も多い)
厚労省「学卒就職者の離職状況調査」令和5年3月より
この離職理由を分析し、企業においての取り組みを考える必要があるかと思われます。
(2)では、どのようにしたらいいのか?
人間関係
やはりコミュニケーションが取れることが大切ですので、研修や訓練、毎日のルーチンワークとして、情報の共有や相談相手になれる先輩などにメンターとして対応してもらうなどの工夫が大切です。
時間や休日などの労働条件
あいまいな時間管理などを行わないことが大切です。当たり前ですが、適切な労働時間管理と時間外手当の支給を行います。労働時間に関しても就業規則などできちんと説明を行うなど研修を徹底します。休日出勤があったとしても、企業において必要であることを理解してもらわなければなりません。
賃金
労働条件通知書の提示の際に、社会保険料などの給与控除される物について、その仕組みを説明するとともに、厚生年金や健康保険、雇用や労災保険がどのような時に役立ち、なぜ控除されるのかを早期に丁寧に説明をすることが必要です。
仕事が合わない
希望と不安を胸に社会人デビューをすることになります。ですので、仕事をする面白さや興味をキャッチして、やる気になってもらうようにアプローチすることが大切です。もちろん個人ごとに変わってきますが、仕事を通した成功体験を自然に体験してもらったり、その仕事がお客様に喜んでいただく実感をつかんでもらうようなことも良いかもしれません。
人口構成が今後一層変わっていく中で、企業が継続する為には、新規学卒者など若い労働力が不可欠です。折角のご縁で入社しても、企業の思いと労働者のすれ違いでの、早期退職は避けなければならないと思います。
ピース社労士事務所では、今後も随時、情報発信を行っていきます。初回相談は無料ですので、どのような事でも、お気軽にお問合せください。
神奈川県 東京都の人事労務のご相談は・・・
ピース社労士事務所
社会保険労務士
高野 尚宗
Comments