みなさま、こんにちは。人事労務講座 第8回となります。
今回は労働協約や労使協定の説明の中にもよく出てくる「使用者」とは?という部分に関して説明させていただきます。尚、使用者の定義に関しては、それぞれの法律ごとに解釈が異なることがございますが、今回は労働基準法についての使用者とさせていただきます。
使用者とは・・・
労働基準法(昭和二十二年四月七日法律第四十九号)第10条
使用者とは、「労働基準法各条の義務についての履行の責任者をいい、その認定は部長、課長等の形式にとらわれることなく各事業において、各条の義務について実質的に一定の権限を与えられているか否かによるが、かかる権限が与えられておらず、単に上司の命令の伝達者にすぎぬ場合は使用者とはみなされないこと。」(昭和22年9月13日発基17号)とされている。
使用者は、社長や会社トップの者だけではありません
つまり、これは「経営者や社長など経営トップの人だけが使用者とは限らない」ことがポイントと考えられます。
会社の役員は基本的に経営者と同じ立場ですが、工場長や営業部長などを兼任する「兼務役員」は、労働者と使用者の両方の立場にあります。逆に、会社の役員であっても、業務執行権や代表権を持たず、工場長や部長等の職にあって賃金を受ける場合はその中では労働者と立場も併せてもっているいうことになります。
これをもう少しわかりやすく説明いたしますと、経営トップだけでなく、事業主の為に労働者に関する事項を管理するものも使用者に含まれるということです。
逆に仮に役職があっても、権限がなく、単に上司の命令の伝達者にすぎない場合は、労働基準法の使用者にはなりません。
なぜ、このようになっているかに関しては、労働基準法の目的として、日常的に労働者を管理・監督している者にも責任を負わせることによって、労働者の保護を図ることも目的にしているためです。日頃から、経営トップだけでなく、管理監督者においても、部下や労働者の健康などに注意をしていかなくてはなりません。
ピース社労士事務所では、今後も定期的に情報発信を行っていきます。初回相談は無料ですので、どのような事でも、お気軽にお問合せください。
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